お寺ボード
元慶應義塾長 小泉信三氏の言葉
「すぐに役に立つことは
すぐに役に立たなくなる」
大学の学びについて語られた言葉なのでしょう。
スマホやネットの知識など
どんどん今は昔になっていきますね。
めまぐるしく変わっていく世の中に
妙にうなずける言葉です。
逆に
すぐに役に立たない学びは ずっと役に立つ
仏教は
生まれて死ぬ私をテーマにしている教え、と言ってももいいと思います。
自己を振り返ると、
若い頃は、死を自分のこととして意識することは少なく、
だからこそ生死について、私ごととして仏教に学ぼうと思うことなかなか思えない。
でも、突然自分の事となったときに、聞き学ぶ縁があるとは限らないのです。
自分にとって「今はまだいい」と思っている仏教だったとしても、
縁あって聞いていれば、きっといつか自分を助けてくれる拠り所となってくれます。
そのようなはたらきを先人達は、
ずっと私の身の上にはたらいてくださった仏さまの姿と喜ばれたのでしょう。
「仏法を聞くべし」
今すぐ役に立つとは限らないが、いずれきっと役に立つと、先祖が残して下さったものです。
近頃は「タイパ」と言う言葉もうまれるように
その時の効率を重んじる時代。
本当に私の役に立つ大切なものを、見失わないようにしないといけない
と、自分に言い聞かせたいものです。
伊丹十三賞記念講演 池上彰氏講演会の言葉より引用